新技術の研究開発
TECHNOLOGY RESEARCH DEVELOPMENT防災系技術
バンブーモルタル
【特許:第5778115号】竹繊維を混入したセメントモルタル
竹繊維を混入した法面保護用吹付けモルタルは、高い吸水性を持つ竹繊維の内部養生効果等によって、乾湿繰返し抵抗性(基盤面との付着強度)や凍結融解抵抗性等の耐久性に優れることが、室内実験や型枠への吹付け実験による研究によって明らかとなりました。また、ビニロン繊維やフライアッシュと併用して竹繊維を混入すると、より効果的であることも分かりました。
これらの知見を基にして、地山法面に対して試験施工を行った結果、実用性のある新たな工法であることを、2021年7月9日、コンクリート工学年次大会2021(日本コンクリート工学会)の新材料・新工法(材料)のセッションにて発表いたしました。
また、バイオ建設素材に関する国際会議ICBBM2021や、コンクリートの持続可能性に関する国際会議fib ICCS2021で研究発表を行い、SDGsにマッチした工法であることが海外でも認められました。
関係文献(弊社役職員:アンダーライン)
- Kazuo Fujiyoshi, Takao Ueda, Masayuki Tsukagoshi,査読あり
FUNDAMENTAL PROPERTIES AND DURABILITY OF SLOPE PROTECTION SPRAY MORTAR REINFORCED WITH BAMBOO FIBERS, Proceedings of fib International Conference on Concrete Sustainability, Acta Polytechnica CTU Proceedings, Vol. 33, pp. 181-187, March 2022.
- K. Fujiyoshi, T. Ueda, H. Takagi, M. Tsukagoshi, 査読あり
Mechanical Properties and Durability of Bamboo Fibers/Bamboo-Fiber-Mixed Spray Mortar for Slope Protection, Book of Bio-Based Building Materials, Trans Tech Publications Ltd., Baech, Switzerland,
ISBN-13-9783035726991, pp. 1-11, January 2022. - K. Fujiyoshi, T. Ueda, H. Takagi, M. Tsukagoshi, 査読あり
Mechanical Properties and Durability of Bamboo Fibers/Bamboo-Fiber-Mixed Spray Mortar for Slope Protection, Journal of Construction Technologies and Architecture, Vol. 1, pp. 1-11, January 2022.
- K. Fujiyoshi, T. Ueda, M. Tsukagoshi, 査読あり
Fundamental Properties and Durability of Slope Protection Spray Mortar Reinforced with Bamboo Fibers, Book of Abstracts of the 3rd International Conference on Concrete Sustainability, p.83, September 2021.
(fib ICCS2021, Sustainable Design and Assessment, in Prague, Czech Republic) - 藤好一男, 吉川敏明, 以西喜照, 上田隆雄:査読あり
竹繊維を混入した法面保護用吹付けモルタルの試験施工による実用性評価, コンクリート工学年次論文集, Vol.43, No.1, pp.1409-1414, 2021.7
(コンクリート工学年次大会2021, 新材料・新工法(材料), 名古屋) - K. Fujiyoshi, T. Ueda, H. Takagi, M. Tsukagoshi, 査読あり
MECHANICAL PROPERTIES AND DURABILITY OF BAMBOO FIBERS/BAMBOO-FIBER-MIXED SPRAY MORTAR FOR SLOPE PROTECTION, Proceedings of the 4th International Conference on Bio-Based Building Materials, pp. 56-63, June 2021.
(ICBBM2021, Natural reinforcements, in Barcelona, Spain) - 藤好一男:査読あり
竹繊維を混入した法面保護用吹付けモルタルの基礎的性状および耐久性に関する研究, 徳島大学機関リポジトリ, 徳島大学博士論文, 博士(工学), 2019.9
- 藤好一男, 上田隆雄, 高木均, 塚越雅幸:査読あり
竹繊維を混入した法面保護用吹付けモルタルの力学特性と耐久性, 日本材料学会誌「材料」, Vol.68, No.7, pp.578-583, 2019.7
- 藤好一男, 丸尾有紀, 上田隆雄, 塚越雅幸:査読あり
竹繊維を混入した法面保護用吹付けモルタルの基礎的性状, コンクリート工学年次論文集 Vol.40, No.1, pp.1899-1904, 2018.7
(コンクリート工学年次大会2018, 新材料・新工法(材料), 神戸) - 藤好一男, 丸尾有紀, 上田隆雄, 塚越雅幸:
竹繊維を混入した法面保護用吹付けモルタルの基礎的性状, 土木学会四国支部技術研究発表会講演概要集, Vol. 24, V-21, 2018.5
(平成30年度土木学会四国支部第24回技術研究発表会, 徳島)
ASR非破壊診断手法
コンクリート構造物の予防保全の観点から、ひび割れが表面化する前の段階(潜伏期)に、アルカリ骨材反応の状況を超音波伝播特性から非破壊診断する手法を研究しています。
関係文献(弊社役職員:アンダーライン)
- 三木智, 吉川敏明, 藤好一男:
拘束条件下におけるASR進行に伴う超音波伝播特性および強度特性, 土木学会年次学術講演会講演概要集, Vol. 77, V-486, 2022.9
(令和4年度土木学会全国大会第77回年次学術講演会, 京都) - 以西喜照, 藤好一男:
拘束条件下でのASR進行に伴う超音波伝播特性, 土木学会四国支部技術研究発表会講演概要集, Vol. 27, V-24, 2021.5
(令和3年度土木学会四国支部第27回技術研究発表会, 松山) - 以西喜照, 藤好一男:
ASR進行に伴う超音波伝播特性に関する基礎的検討, 土木学会四国支部技術研究発表会講演概要集, Vol. 26, V-14, 2020.5
(令和2年度土木学会四国支部第26回技術研究発表会, Online)
無線加速度センサを用いた橋脚の健全度診断手法
徳島大学およびグループ会社の福山コンサルタントとともに、吉野川大橋にて橋脚の衝撃振動試験を行い、無線加速度センサを通して得られた固有振動数を利用して、地震被災時の異常や豪雨による洗掘などを診断する手法について研究を行いました。
関係文献(弊社役職員:アンダーライン)
- 中野聡, 土田智, 野上和彦, 斎藤修, 藤好一男, 上田隆雄:査読あり
無線加速度センサで計測した固有振動数を用いた橋脚のモニタリング方法の提案, JCOSSAR 2015 論文集, Vol.8, pp.596-601, 2015.10
(日本学術会議, 構造物の安全性・信頼性に関するシンポジウム, 東京) - 中野聡, 土田智, 野上和彦, 藤好一男, 上田隆雄:査読あり
無線センサで測定した固有振動数による道路橋脚維持管理方法の提案, コンクリート構造物の補修・補強・アップグレード論文報告集, Vol.14, pp.647-564, 2014.10
(日本材料学会シンポジウム, 福岡)
環境系技術
スジアオノリの陸上養殖
徳島県の吉野川や那賀川河口域で養殖されているスジアオノリは全国一の生産量をほこりますが、河川内での養殖は自然環境に左右されることから、陸上の安定した環境で養殖する技術を研究中です。
関係文献(弊社役職員:アンダーライン)
- 喜多郁弥, 米澤孝康, 岡本裕太, 團昭紀, 浜野龍夫, 岡直宏: 査読あり
藻体抽出液を用いたスジアオノリ種苗生産に適した光量・光質条件の検討, 日本応用藻類学会誌 "Algal Resources," Vol.16, No.1, pp. 69-76, 2023.6
- 喜多郁弥: 査読あり
スジアオノリ陸上養殖のための体細胞を使う種苗生産に適した培養条件, 徳島大学機関リポジトリ, 徳島大学博士論文, 博士(学術), 2023.3
- 喜多郁弥, 藤田航輔, 米澤孝康, 岡直宏, 浜野龍夫, 團昭紀:
藻体抽出液を用いたスジアオノリ種苗生産における光条件の検討, 日本応用藻類学会第20回記念大会, 仙台, 2022.9
- 喜多郁弥, 岡本裕太, 團昭紀, 浜野龍夫, 岡直宏:査読あり
藻体抽出液を用いたスジアオノリ種苗生産における組織培養条件の検討, 日本応用藻類学会誌 "Algal Resources," Vol.15, No.1, pp. 1-7, 2022.6
- 岡本裕太, 岡直宏, 喜多郁弥, 加藤美砂子, 團昭紀, 浜野龍夫:
異なるスジアオノリ4株の生長に対する水温特性の把握と陸上養殖への応用, 日本応用藻類学会第19回大会, 仙台, 2021.9
- 喜多郁弥, 團昭紀, 岡直宏, 浜野龍夫:
スジアオノリ陸上養殖のため種苗生産技術の確立, 日本応用藻類学会第19回大会, 仙台, 2021.9
- 喜多郁弥, 團昭紀, 浜野龍夫, 齋藤稔, 岡直宏:査読あり
藻体抽出液を細断細胞に添加するスジアオノリ種苗生産法, 日本応用藻類学会誌 "Algal Resources," Vol.12, No.1, pp. 11-20, 2019.6
水中の有害金属濃度の迅速計測手法
【農林水産省 中四国農政局 新技術・新工法H23に公表】
重金属類を含む排水の水質分析に関して、現地で迅速に環境基準値と比較計測する手法を、株式会社リガク様と共同開発いたしました。
水に溶解している有害金属を沈殿させた後、蛍光X線装置によって濃度を求める水質分析システムとなっており、水銀・ヒ素・鉛の濃度計測が可能です。
石炭灰リサイクルコンクリート藻場繁殖礁
【特許:第4864866号】ポーラスコンクリートとその骨材
石炭火力発電所から排出される石炭灰をコンクリート用骨材に加工してポーラスコンクリートを製造し、海水温の上昇等により磯焼けした沿岸海域の水産生物の環境改善を目的に、人口藻場・繁殖礁を株式会社総合開発様と共同開発しました。